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牛の種類を徹底解説!日本で見られる肉牛・乳牛の特徴と違いをわかりやすく紹介

  • 執筆者の写真: 佳葉子 吉満
    佳葉子 吉満
  • 4 日前
  • 読了時間: 12分

更新日:1 日前

牛の種類を徹底解説!日本で見られる肉牛・乳牛の特徴と違いをわかりやすく紹介

「日本で飼育されている牛にはどんな種類があるの?」と気になったことはありませんか?本記事では、日本の代表的な肉牛・乳牛の特徴をわかりやすく解説しています。


霜降りで有名な黒毛和種から希少な無角和種、豊富な乳量を誇るホルスタイン種まで幅広く紹介。さらに、「和牛」と「国産牛」の違いやスーパーでのラベル表示の見方も丁寧に解説しています。牛の種類とその魅力を知る入門として、ぜひご覧ください。



牛の種類ってどれくらいあるの?日本で飼育されている主な牛とは



日本における「牛」の分類とは?


日本で飼育されている牛は、大きく「肉牛」と「乳牛」に分けられます。肉牛とは牛肉を生産するために育てられる牛で、「和牛」と「国産牛」に分類されます。


和牛には黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の四種類があり、黒毛和種が圧倒的に多く飼育されています。一方、国産牛とは交雑種やホルスタイン種などの乳用種を含みます。スーパーなどで表示される際には、「和牛」と「国産牛」で区別されており、輸入牛との違いが明確になっています。


たとえ海外で生まれた牛でも、日本での飼育期間が長ければ「国産牛」として扱われることもあります。このように、牛は目的や品種によって細かく分類されているのです。なお、和牛の種類の詳細については、コラム「和牛、その種類と特徴」をご覧ください。



肉牛と乳牛の違いを知っておこう


肉牛と乳牛は見た目や役割だけでなく、飼育方法や品種も大きく異なります。肉牛は牛肉を生産する目的で飼育され、主に黒毛和種や褐毛和種、日本短角種、交雑種などがいます。これらの牛は筋肉や脂肪の付き方が重視され、特に黒毛和種は「サシ」が入りやすく、高級牛肉として人気です。


一方、乳牛は生乳の生産が目的で、日本ではホルスタイン種が圧倒的多数を占めています。ホルスタインは白黒模様が特徴で、年間で数千キロの生乳を産出する能力があります。乳牛は雌牛が中心で、雄牛は肉用として出荷されることもあります。こうした違いを理解することで、牛乳や牛肉の背景にある多様な牛の世界がより身近に感じられるはずです。



日本の肉用牛の種類と特徴


黒毛和種:霜降りの王様と称される理由


黒毛和種は、日本で飼養されている和牛の中で最も多く、全国の和牛の約97%を占めています。最大の特徴は肉質の高さで、特に脂肪交雑(サシ)が入りやすく、とろけるような食感が魅力です。


そのため「霜降りの王様」とも称され、高級ブランド牛である神戸牛や松阪牛などもこの品種に該当します。筋繊維が細かく、舌の上でとろけるような風味が国内外で高く評価されています。希少性や味わいの良さから、A5ランクの枝肉は非常に高値で取引され、日本を代表する肉用牛です。



褐毛和種:あか牛に見る赤身肉の魅力


褐毛和種は熊本県や高知県を中心に飼養される和牛で、赤褐色の毛並みから「あか牛」とも呼ばれています。体が大きく発育が良いため、粗飼料の利用性が高く、放牧にも向いています。


肉質は赤身中心で脂肪は控えめですが、噛むほどに味わい深く、あっさりとした肉質が魅力です。霜降り重視の黒毛和種とは異なる価値があり、健康志向の消費者や赤身好きの方から注目を集めています。代表的なブランドには「くまもとあか牛」や「土佐あか牛」などがあります。



日本短角種:自然放牧に適した赤身志向の牛


日本短角種は、主に岩手県や北海道などの寒冷地域で飼養されている和牛で、毛色は濃い茶褐色をしています。黒毛和種に比べて体格が大きく、粗飼料の利用性が高いため、自然放牧に適しているのが特徴です。


サシは入りにくいものの、筋肉質で引き締まった赤身肉が味わえます。特に「いわて短角和牛」としてブランド化され、県全体で認知度向上に取り組んでいます。健康的で力強い肉質は、しっかりとした食感と深い旨みが楽しめる赤身肉志向の牛です。



無角和種:角がない希少な和牛とは


無角和種は、日本で最も飼養頭数が少ない希少な和牛で、山口県を中心に生産されています。その名の通り角が無いのが最大の特徴で、黒毛和種に似た黒い毛並みを持ちます。外国産のアンガス牛と在来の黒毛和種を交配して誕生した品種で、赤身が多く脂肪交雑は少なめです。


増体性や歩留まりには優れていますが、霜降り志向の消費動向や海外産安価牛の影響により飼養頭数は激減しています。現在は種の保存に向けて繁殖促進が行われており、貴重な存在です。



交雑種:和牛×乳牛のいいとこ取り


交雑種とは、黒毛和種の雄とホルスタインなどの乳牛の雌を交配して生まれた牛を指し、「F1種」とも呼ばれます。和牛の肉質の良さと乳牛の成長性を兼ね備えており、比較的育てやすく肉の生産効率も高いため、広く流通しています。


スーパーなどでは「国産牛・交配種」と表示されることもあり、価格と品質のバランスが取れている点が魅力です。サシは黒毛和種ほどではありませんが、適度な脂と赤身のバランスに優れ、一般家庭でも手に取りやすい牛肉です。



ホルスタイン種(雄牛):国産牛としての一面も


ホルスタイン種は、白黒の模様でおなじみの乳用種ですが、雄牛は肉用としても活用されます。ホルスタインの雄は去勢後に肥育され、国産牛として流通し、国産牛全体の約半分を占めるほど重要な存在です。


スーパーでは「国産牛」または「国産牛・乳用種」と表示されます。赤身が主体で脂肪分は控えめですが、調理法によっては旨味のある肉として楽しめます。和牛に比べると安価で手に入ることから、家庭用や業務用の牛肉としても広く利用されています。



日本の乳用牛の種類と特徴


ホルスタイン種:乳量トップの白黒模様の牛


ホルスタイン種は、白と黒の特徴的な斑点模様を持つ乳用牛で、日本で最も多く飼育されている品種です。原産はオランダやドイツで、日本の乳牛の99%を占めます。乳量が非常に多く、年間5,000kgから10,000kgの生乳を産出し、20,000kgを超える牛は「スーパーカウ」とも呼ばれます。


酪農家の努力や給餌、飼育環境の工夫によって高い生産性を維持しています。また、雄牛は肉用としても利用されており、スーパーなどでは「国産牛・乳用種」や「国産牛」として販売されることもあります。白黒模様の美しい姿と驚くべき乳量から、日本の酪農には欠かせない存在です。



ジャージー種:濃厚ミルクで人気の小柄な牛


ジャージー種は、イギリス領ジャージー島原産の乳用牛で、淡い茶色の毛並みに大きな黒い瞳が印象的な小柄な品種です。見た目は可愛らしいですが、性格は活発で人懐っこく、酪農家の間ではホルスタインよりも群れのリーダーになりやすいといわれています。生乳の生産量は少なめですが、乳脂肪率が5%以上と非常に高く、濃厚でまろやかな味わいが特徴です。


この高い乳質は、バターや生クリーム、チーズなどの乳製品に最適で、ジャージー牛乳は高級乳製品の素材として人気があります。近年では希少性と品質の高さから注目が高まり、ジャージー種を飼育する牧場も増えつつあります。



ブラウンスイス種:チーズにぴったりの高品質乳牛


ブラウンスイス種は、スイス原産の乳用牛で、灰色がかった茶色の毛と、鼻や口の周囲が白い顔立ちが特徴です。日本ではまだ飼育数が少ないものの、その優れた乳質が注目されています。生乳は乳脂肪と無脂乳固形分のバランスに優れ、特にチーズなどの加工品に最適とされています。


そのため、乳製品にこだわる酪農家の間では徐々に導入が進み、自社でチーズ製造などの6次産業化に取り組む例も見られます。ホルスタインほどの乳量はありませんが、乳質重視の市場ニーズに応える存在として期待されています。濃厚でコクのあるミルクを生むブラウンスイス種は、これからの酪農を支える存在になるかもしれません。



「和牛」と「国産牛」の違いとは?スーパーでの表示をチェック



和牛と国産牛の定義


スーパーで目にする牛肉には「和牛」と「国産牛」の表示がありますが、これは品種と生産地の違いを示しています。上述の通り、和牛とは、日本在来種をもとに品種改良された黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種類の総称です。


一方、国産牛とは、和牛以外の牛、たとえば交雑種や乳用種であるホルスタインなど、日本国内で育てられた牛を指します。つまり、国産牛は和牛を含まず、育った場所が日本であれば「国産」と表示されます。


和牛は霜降りの肉質が特徴で高級品とされる一方、国産牛にはさまざまな品種があり価格帯も幅広いです。表示の違いを理解することで、消費者は目的に合った牛肉を選びやすくなります。和牛と外国産牛については、コラム「和牛と外国産牛について その違いを探る」もご覧ください。



和牛のルーツ見島牛について


和牛のルーツとされる見島牛(みしまうし)は、山口県萩市の見島という小さな島で守られてきた貴重な在来種です。明治以前の日本には外国種との交配が行われていない在来の牛が各地にいましたが、多くは品種改良の過程で姿を消しました。その中で見島牛は、他の牛と交配されることなく、今も純粋な血統を保っています。


この牛は小型で角があり、体毛は黒く、粗飼料に強いという特徴を持っています。見島牛は現在、国の天然記念物にも指定されており、頭数は非常に少なく、絶滅危惧種とされています。和牛の4品種が誕生した背景には、見島牛をはじめとした在来種の遺伝子があり、現代の高品質な和牛の基盤を築く重要な役割を果たしてきたのです。



海外生まれでも「国産牛」になる条件とは?


「国産牛」と聞くと、生まれた場所も日本と思いがちですが、実はそうではありません。牛肉の表示における「国産牛」とは、出生地にかかわらず、日本国内での飼養期間が最も長い場合に使われる表記です。


たとえば、外国で生まれた牛でも、早い段階で日本に輸入され、長期間日本で飼養されていれば「国産牛」と表示されます。これは国のルールで定められており、消費者に誤解を与えないよう明確な基準があります。


そのため、スーパーで「国産牛」と表示された牛肉が、必ずしも日本生まれの牛とは限らない点には注意が必要です。生産履歴や産地表示を見ることで、より正確に牛肉の由来を知ることができます。和牛と国産牛については、コラム「和牛と国産牛の違い。部位や品種で広がる多彩な味わいの牛肉」もご覧ください。



賢く選ぶためのラベル表示の見方


スーパーで牛肉を選ぶ際、パッケージに貼られたラベルの表示を確認することで、その肉の種類や品質を知ることができます。まず「和牛」と記載されていれば、黒毛和種など日本の在来種を基にした品種です。


一方、「国産牛」とあれば、和牛以外の交雑種や乳用種で、飼養地が日本であることを示しています。また、「交雑種」や「乳用種」と併記されていることもあり、これは母牛がホルスタインで父牛が黒毛和種など、異なる品種の交配で生まれた牛を意味します。


ラベルには産地や個体識別番号が記載されている場合もあるので、それをもとに生産履歴を調べることも可能です。正しく表示を読み取ることで、好みや予算に合った牛肉を賢く選べます。



まとめ


以上、日本で見られる肉牛・乳牛の種類や特徴、和牛と国産牛の違いまで詳しく紹介しました。より深く知りたい方は、「家畜改良センター」などの公的機関サイトもぜひ参考にしてください。和牛、国産牛、さらには、和牛のルーツである三島牛に興味を持つ方には、料理を通じてその魅力を感じていただける絶好の機会があります。


東京都練馬区の牛肉料理しもかわでは、唯一無二の牛肉を求め続けてきた「牛肉のプロ」のオーナーシェフが厳選した希少種の無角和種の阿武牛、また在来種で和牛のルーツである見島牛などを使用したメニューをご用意しております。洗練された料理を通じて、和牛の価値を改めて実感できるでしょう。


練馬区の大泉学園駅から徒歩圏内にお店がございますので、お時間ございましたら、ぜひお気軽にご来店ください。お電話・フォームからのご予約も承っております。



[English version]



A Comprehensive Guide to Cattle Breeds in Japan: Characteristics and Differences of Beef and Dairy Cattle


Ever wondered about the various types of cattle raised in Japan? This article provides an in-depth look at the primary beef and dairy cattle breeds found in Japan, highlighting their unique features and distinctions.



Classification of Cattle in Japan


In Japan, cattle are broadly categorized into two main groups:

  • Beef Cattle: Primarily raised for meat production.

  • Dairy Cattle: Primarily raised for milk production.


Beef cattle include both "Wagyu" and "domestic beef" (Kokusan-gyu). Wagyu encompasses four native Japanese breeds: Japanese Black, Japanese Brown, Japanese Shorthorn, and Japanese Polled. Among these, the Japanese Black is the most prevalent, accounting for approximately 97% of Wagyu cattle in Japan. Domestic beef refers to other breeds, including crossbreeds and dairy breeds like Holstein, raised within Japan.



Key Beef Cattle Breeds in Japan


Japanese Black (Kuroge Washu)

Renowned for its exceptional marbling, tenderness, and rich flavor, the Japanese Black is the most prominent Wagyu breed. It's the source of famous brands like Kobe, Matsusaka, and Yonezawa beef.


Japanese Brown (Akage Washu or Akaushi)

Known for its leaner meat and robust flavor, this breed is primarily raised in regions like Kumamoto and Kochi Prefectures. It's appreciated for its balance of taste and health benefits.


Japanese Shorthorn (Nihon Tankaku Washu)

Predominantly found in northern Japan, especially Iwate Prefecture, this breed is well-suited for grazing and produces lean, flavorful meat with a firm texture.


Japanese Polled (Mukaku Washu)

A rare breed primarily raised in Yamaguchi Prefecture, characterized by its lack of horns and lean meat. It's a cross between native Japanese cattle and imported breeds, resulting in unique qualities.


Crossbreeds (F1 Hybrids)

These are hybrids between Wagyu and dairy breeds like Holstein. They combine the marbling of Wagyu with the growth efficiency of dairy breeds, offering a balance between quality and affordability.


Holstein (Male)

While Holsteins are primarily dairy cattle, male Holsteins are often raised for beef in Japan. Their meat is leaner and more affordable, commonly found in supermarkets labeled as "domestic beef."



Prominent Dairy Cattle Breeds in Japan


Holstein

The most common dairy breed in Japan, recognized by its black and white markings. Holsteins are known for their high milk production, making them the backbone of Japan's dairy industry.


Jersey

A smaller breed with a light brown coat, Jerseys produce milk with a higher fat content, resulting in rich and creamy dairy products. They're increasingly popular for premium milk and cheese production.


Brown Swiss

Known for their adaptability and high-quality milk, Brown Swiss cattle have a grayish-brown coat and are valued for their balanced milk composition, ideal for cheese-making.


Understanding 「Wagyu」vs「Domestic Beef」


  • Wagyu: Refers to the four native Japanese beef breeds mentioned above. These cattle are bred and raised under strict guidelines to ensure premium quality.


  • Domestic Beef (Kokusan-gyu): Encompasses all other cattle raised in Japan, including crossbreeds and dairy breeds. Even cattle born abroad but raised in Japan for a significant period can be labeled as domestic beef.


Understanding these distinctions helps consumers make informed choices when purchasing beef products in Japan.


For more detailed information, you can visit the original article here: 牛肉料理しもかわ


 
 
 

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