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和牛、その種類と特徴

下川

更新日:2024年5月9日


和牛

和牛とは、日本で育てられた牛の総称であり、その中の代表4種に、黒毛和種(くろげわしゅ)、褐毛和種(かつげわしゅ)、日本短角種(たんかくしゅ)、無角和種(むかくわしゅ)があります。


ここでは、この4種の和牛について、「歴史」、「身体・特徴」、「遺伝的特性」、「ブランド銘柄和牛」、「味や肉質」の点から紹介していきます。


読み終えていただければ、それぞれの和牛の特徴が整理され、和牛の選択肢が大きく広がるでしょう。


黒毛和牛

歴史

黒毛和種は明治時代から品種改良が行われ、1944年に品種が固定されました。改良の過程では、在来種と欧州系の牛が交雑され、黒毛和種という名称が昭和19年に正式決定されました。その後、肉専用種としての改良が昭和37年から進められました。


身体・特徴

黒毛和種は体高が130cm程度で、毛色は黒に近い褐色をしています。体型はやや小型で後躯が締まっており、早熟で産出能力にも優れています。肉質は筋繊維が細く、脂肪沈着が密集しています。


遺伝的特性

黒毛和種は脂肪交雑や肉の色沢、きめの細かさなど、肉質に優れた遺伝的特性を持っています。日本国内で飼育されている和牛の95%が黒毛和種であることも特筆されます。


ブランド銘柄和牛

松阪牛、神戸牛、米沢牛、但馬牛、近江牛などのブランド和牛の多くが黒毛和種を基にしています。また、鹿児島県で生産される鹿児島黒牛も黒毛和種に由来しています。


味や肉質

黒毛和種の肉質は脂肪が入りやすく、水分量が多く柔らかいです。特有の甘い香りとともに、口に入れると溶けるような柔らかさがあります。赤身に乳白色の脂肪が霜降り状に入り、最高級の和牛として高い評価を受けています。



黒毛和牛

黒毛和牛


褐色和種

歴史

褐毛和種は熊本県と高知県で誕生し、改良が加えられてきました。明治時代後半にはシンメンタール種を交配し、最初の改良目標が設定されました。1944年には黒毛和種や無角和種と同様に、褐毛和種が日本固有の肉用品種として認定されました。


身体・特徴

褐毛和種は体高が130cm前後で、黒毛和種よりもやや大型です。体色は茶褐色で、毛色には熊本系と高知系があります。体格は中躯(ちゅうく)※が伸び、後躯(こうく)※も充実しています。肉質はやや脂肪沈着が黒毛和種に比べて劣りますが、赤身肉中に適度な脂肪が含まれており、エネルギー含量の多い飼料を与えると脂っこい肉質になりやすい特徴があります。

※中躯(ちゅうく)とは、胸の極一部と背腰と肋腹(ふくろく)のこと。

※後躯(こうく)とは、尻と腿(もも)のこと。


遺伝的特性

褐毛和種は遊離アミノ酸などのうま味成分が豊富に含まれる赤身肉と、霜降りとのバランスが良い肉質を持っています。その遺伝的特性により、放牧で育てられることが一般的で、放牧によって肉本来の味が引き出されます。


ブランド銘柄和牛

褐毛和種を基にした銘柄和牛としては、「くまもとあか牛」「土佐あかうし」「すだち牛」などが有名です。これらの銘柄は、褐毛和種の特徴である赤身肉と霜降りのバランスが良く、肉本来の味わいが楽しめることが特徴です。


味や肉質

褐毛和種の肉質は赤身肉に適度な脂肪が含まれ、口に入れると柔らかく溶けるような食感があります。特に霜降り部分の脂肪酸のバランスが良く、健康に良い脂肪酸が豊富に含まれています。そのため、健康志向の人にも好まれる和牛の一つです。


褐色和種

褐色和種

日本短角種

歴史

日本短角種は、青森・岩手・秋田・山形などの東北地方を中心に飼育されており、希少品種として知られています。岩手県の「いわて短角和牛®」が特に有名で、交配によって改良が進められてきました。


身体・特徴

日本短角種は体高が約132cmで、体色は赤褐色で、体格は和牛の中では大きめです。成雌の体重は約500kgに達し、体型は肉用に適しています。


遺伝的特性

日本短角種の肉質は褐毛和種に類似しており、赤身と脂肪のバランスが良く、ヘルシーな牛肉として知られています。放牧に適しており、夏山冬里方式※と呼ばれる飼育法で育てられます。


※夏山冬里方式は肉用牛繁殖は養羊経営にとり入れられた資源を合理的に利用した低コストをめざした経営方式。家畜を冬期間舎飼いする一方、5~11月の夏季には山頂や山腹の放牧地に家畜を放牧し、冬期、再び舎飼いする方式。山村や農山村のように耕地や放牧地などの農用地の高低差が大きい所で、所与の土地を有効かつ効率的に利用できる。


ブランド銘柄和牛

日本短角種の代表的な銘柄牛としては、「いわて短角和牛」「えりも短角牛」などが挙げられます。これらの銘柄牛は、赤身肉の味わいが豊かで、ヘルシーな肉質が特徴です。


味や肉質

日本短角種の肉質はきめ細かく、赤身と脂肪のバランスが良いため、噛めば噛むほど味わいが深まります。シンプルな調理法で調理することで、お肉本来の味わいを楽しむことができます。特に夏山冬里方式で育てられるため、自然な環境で育った牛肉の風味が楽しめます。



日本短角種

日本短角種

無角和種

歴史

無角和種は、山口県阿武群で生まれた和牛であり、非常に希少な品種です。1920年に国の畜産試験場中国支場から無角のアバディーン・アンガスによる交雑種の種牡が貸し出され、無角の形質を固定させるために改良が行われました。1944年に無角和種として認定され、その後改良が進められました。


身体・特徴

無角和種は体格は黒毛和種とほぼ同じですが、角がないことが特徴です。体色は真黒で、成雌の体高は雄で137センチメートル、雌で122センチメートル程度です。体重は雄で約800キログラム、雌で約450キログラムです。


遺伝的特性

無角和種は交配によって改良が行われ、早肥早熟で粗飼料の利用性に優れています。皮下脂肪が厚く、脂肪沈着が特徴的で、肉質は黒毛和種に次いで良いとされています。


ブランド銘柄和牛

無角和種には特定の銘柄はありませんが、市場では「無角和牛肉」として流通しています。


味や肉質

無角和種の肉質はサシが少なく、水分の多い赤身肉であり、ダイレクトに肉本来の旨味と噛む喜びを感じることができます。肉は筋肉が主体であり、味わいが深まる特徴があります。特にステーキなどの料理に向いています。



無角和種

無角和種

まとめ

一口に「和牛」といっても、それぞれの種類には、様々な特徴がある奥深い「和牛」の世界。それぞれの「和牛」を実際に食べてみた時に、どのような味が口の中に広がるのか、想像しただけで笑顔になってしまいますよね。


牛肉料理しもかわでは、唯一無二の牛肉を求め続けてきた「牛肉のプロ」のオーナーシェフが厳選した希少種の無角和種の阿武牛、また在来種で和牛のルーツである見島牛など、奥の深い牛肉の味わいを食べ比べ、楽しむことができます。


練馬区の大泉学園駅から徒歩圏内にお店がございますので、お時間ございましたら、ぜひお気軽にご来店ください。お電話・フォームからのご予約も承っております。


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